賢者の終活で、具体的に何を決めておけばよいのか。それを1枚の図にまとめたものが「百寿曼荼羅」です。お元気なうちに向き合っておきたい、9つの課題を可視化した設計図——いわば、人生の最終章を描くための地図です。
9つの決め事
百寿曼荼羅は、多くの方が老いの過程で高い確率で直面する課題を、9つに整理したものです。親子関係、介護、認知症、施設、医療、延命治療・終末期医療、財産、エンディング、そして祭祀事務。この9つのそれぞれについて、「どうしたいのか(基本方針)」「誰に、どうしてほしいのか(依頼事項)」「その費用と財源をどうするのか(予算)」の3つの視点から、考えを整理していきます。

なぜ、親子関係が中心なのか
9つの課題の中心には、「親子関係」が置かれています。これには理由があります。人は、ひとりで人生を終えることはできません。だからこそ、想いを託す相手——終活キーパーソンの存在が欠かせません。その土台となるのが、親子の信頼関係です。9つの課題は互いに関わり合っていますが、そのすべてを支えるのが、中心にある親子の絆なのです。
一つひとつを、一緒に整理していく
9つの課題は、どれも一人で抱え込むには重く、複雑なものです。介護は在宅か施設か。認知症による財産の凍結にどう備えるか。延命治療をどこまで望むか。エンディングや祭祀の形をどうするか——。これらは、正解が一つに決まるものではなく、ご本人の価値観とご家族の状況によって、最適なかたちが変わります。百寿論では、この一つひとつを、親子で、そして専門職とともに、丁寧に整理していくお手伝いをしています。
① 終活キーパソン(親子関係)
- 信頼のバトンを、誰に引き継ぐのか。自らが描いた人生を全うするために、生きざまと信頼を託すパートナー(想続人=終活キーパーソン)を誰にするか。その想いを、いつ、どのように伝え、受け入れてもらうのかを明確にします。
② 要介護
- もし要介護状態になったとき、どんな生活を送りたいか。在宅(家族)介護と施設介護のどちらを望むか。在宅から施設へ移る場合の基準は。そして、関連する費用の予算と財源をどうするのかを整理します
③ 認知症
- もし認知症を発症したとき、どこで、どのように過ごしたいか。在宅か施設か。その移行の基準は。あわせて、備えとしての財産管理(凍結対策)や、関連費用の予算と財源を明確にします。
④ 施設さがし
- 施設入所を選ぶ場合の、月額予算と財源は。希望するエリアは。予算に制約があるとき、遠方でも許容できるか。施設での一日を思い描いたとき、絶対に譲れない条件は何か、その優先順位を具体的にします。
⑤ 日常医療
- 日常的な見守り医療への希望はあるか。薬・検査・手術といった医療とどう向き合うか。生活習慣病対策として取り組みたいことはあるか。かかりつけ医や、救急時の搬送先について、希望を整理します。
⑥ 延命治療・終末期医療
- 人工栄養(胃ろう)、人工透析、人工呼吸などを望むかどうか。それを「回復の可能性」の観点からどう考えるか。人生の最期に、どのような医療のあり方を望むのかを、あらかじめ明確にしておきます。
⑦ 財産
- 認知症による財産の凍結に、どう備えるか。年金以外に、豊かな老後を送るための資金をいくら確保しておくか。財産をどう遺すか(公平か平等か・いつ・どのように)という基本方針を整理します。
⑧ エンディング・葬儀
- 葬儀や、亡くなった後に必要となる各種手続き(死後事務)について、どうしたいか、その希望と予算を整理しておきます。
⑨ 死後事務
- お墓や葬儀を行うかどうか。行う場合の形式・規模・会場は。法要や、お墓・仏壇の承継をどうするか。あわせて、それらにかかる費用の予算と財源を明確にします。