百寿論とは、人生100年時代のための新しい老後観であり、その実践哲学です。親としての威厳と判断力があるうちに、老い先へのリスクに計画的にそなえ、自らが描いた人生の終章(エンディング)を実現する。そのための考え方と方法を、ひとつの体系にまとめたものです。

百寿論の定義

百寿論の「百寿」とは、単に100歳まで生きることではありません。親も子も、ともに幸せな100年を全うすること——それが百寿論の目指す「百寿(しあわせな100歳)」です。長生きが当たり前になった時代に、そなえのないまま老いを迎えれば、その負担は必ず子ども世代に及びます。百寿論は、その現実に正面から向き合い、親子がともに幸せな最期を迎えるための実践哲学です。

基本理念:Happy Ending Loves Preparations

百寿論の根底にあるのは、「Happy Ending Loves Preparations(幸せな最期は、そなえを愛する)」という理念です。人生100年時代において、無策であることは、それ自体がリスクです。完璧な準備は必要ありません。しかし、準備がゼロであれば、家族に大きな代償を残すことになります。百寿論は、その「無策」を、実際的な「そなえ」へと変えていく考え方です。

百寿論が目指す世界

百寿論が目指すのは、老いた親のことで、子である現役世代が不利益を被らずに済む世の中です。介護離職、介護破産、介護離婚。認知症による財産の凍結や、相続をめぐる争い。施設さがしや終末期医療をめぐる葛藤——。これらは、そなえによって大きく減らせます。親が元気なうちに備えることで、親は自らの人生を全うでき、子は仕事も家庭も人生も損なわずに済む。百寿論は、そんな親子双方が幸せになれる未来を描いています。

百寿論が存在しない世界

私は社会福祉士として四半世紀、数多くのご家族の相談に携わってきました。その経験を通じてたどり着いたのが、「百寿論」という実践哲学であり、「賢者の終活」という方法論です。

百寿論を知り、実践することで、親も子も、ともに「百寿(しあわせな100歳)」に近づくことができます。備えることは、この連鎖を断ち、親子が穏やかな晩年を過ごすための、確かな一歩になると考えています。